インプラントの歴史は古く、紀元前とも言われています。
古くは貝殻で、後に鉄や金、エメラルド、ステンレス、アルミニウムなど、様々な材質がインプラントに使用されてきました。
現在のチタン製のインプラントになったのは、40年ほど前からです。
インプラントの手術には、歯科医の卓越した技術が必要となります。
正確な手術、その後の定期的な正しいメンテナンスにより、インプラントは20年以上もきれいな状態のままで使用できるそうです。
ですが、そんな中でもインプラント治療のトラブルは皆無、という訳ではありません。
平成5年、平成6年には訴訟問題にまで発展したインプラントのトラブルがあることも知られています。
平成5年12月21日、東京地裁の訴訟において、インプラント手術の結果、咀嚼能力が健常者の11%となった、というケースでは歯科医の過失責任が問われ、3143万円の損害賠償の支払いを命じる判決が出ています。
この訴訟では、少なくともインプラント手術では6ヶ月以上の顎骨の安定を保つべきであること。
患者からの危惧の念を押さえ、性急に実施したとされ、歯科医としての注意業務違反であると言われています。
こちらの訴訟がインプラントでは初めての訴訟のようです。
翌年、平成6年3月30日には、同じく東京地裁での訴訟において、インプラント手術により上顎洞穿孔および慢性化膿性歯槽を生じさせたとして、519万円の賠償の支払いを命じる判決が出ています。
この訴訟では、上顎洞穿孔の発見が遅れたため、患者に長期にわたり排膿、疼痛、腫れ、咬合痛等が生じたとされています。
この2件の訴訟が起きた平成5年頃は、インプラント治療において、術式も材料なども不十分な時代だったようです。
現在では、技術、材料、治療方法は飛躍的に発展していますが、平成13年にも、インプラント手術のデメリットに対しての説明が不十分であったとして、歯科医に対し支払いを命じる判決が出た訴訟などもあります。
歯科医はインプラントに関する訴訟の経緯と判決を参考に、治療に対しての責任を再確認することが重要です。